相続税の払い過ぎにはご注意ください
1 相続税とは
ご親族が亡くなられ、その方の財産を相続した場合、相続した財産の価値・金額によっては、相続税という税金を支払わなければなりません。
税金というと、住民税、固定資産税、自動車税等のように、役所等から請求が来て、その金額を支払うイメージを持たれるかもしれません。
しかし相続税は、いくら納付しなければならないかを自分で計算し、相続税申告書の形式にまとめ、根拠資料とともに提出するとともに、納付まで行わなければなりません。
自分で税額を計算する必要があるため、十分な知識・経験のないまま相続税申告を行ってしまうと、本来払うべき金額よりも多い金額を納付してしまうというミスが発生することがあります。
2 相続税の払い過ぎをしたらどうなるか
税務署は、相続税申告において、相続財産に漏れがあるとか、相続財産の評価に誤りがあるなどして、本来収めるべき税金よりも少なく申告された場合には、税務調査が入り、本来納付すべき金額との差額部分に加え、場合によっては延滞税、過少申告加算税なども含めて納付を指示されることがあります。
他方で、相続税を払い過ぎてしまった場合、税務署がそのミスを指摘してくれて、払い過ぎた税金が自動的に返ってくるかというと、そうではありません。
相続税を払いすぎてしまった場合でも、基本的に税務署から特段連絡が入ることはなく、払い過ぎたということに気付くことすらできないことが多いのが実情です。
3 相続税の払い過ぎに気付いたら
相続税の払い過ぎに気付いた場合、更正の請求をすることで、払い過ぎた税金の還付を受けることができます。
もっとも、更正の請求を行ったとしても、必ずしも認められるわけではなく、証拠資料が不十分であったり、更正の請求の期限(原則として、相続税の申告期限から5年間)を徒過してしまっているなどの理由で認められないこともあります。
4 適切な金額で申告することが重要
このように、相続税を払い過ぎたとしても気付くことができない場合も多く、たとえ払い過ぎに気付くことができたとしても必ずしも払い過ぎた税金が返ってくるとは限りません。
そのため、相続税の申告の時点で、相続税を払い過ぎないようにすることが重要です。
相続税の申告は、相続税に関する知識・経験の豊富な税理士に依頼されることをおすすめします。