相続税の更正の請求とは
1 相続税について
親族が亡くなり、遺産を相続した場合や、遺贈を受けた場合、遺産総額が基礎控除額を超えていれば、相続・遺贈を受けた財産額に応じて相続税を支払わなければなりません。
相続税は、相続や遺贈を受けた人が、相続税申告書を作成し、自主的に相続税の納付をしなければならないことになっています。
そのため、遺産の価値の評価を誤ったり、適用できる特例を適用し忘れていたりすることによって、過大に相続税を納付してしまうという場合があり得ます。
2 相続税を払い過ぎてしまったら
⑴ 税務署が指摘してくれることはない
相続税を払いすぎてしまったとしても、基本的には税務署が誤り等を指摘してくれるということはありませんし、自動的に払い過ぎた分が返金されるということもありません。
したがって、相続税を払い過ぎてしまったとしても、払い過ぎたことに気付かないこともあります。
⑵ 払い過ぎに気付いたら更正の請求を
更正の請求とは、払い過ぎた税金を取り戻すことができる手続きです。
更生の請求は、相続税の申告期限(つまり、相続の開始を知った日の翌日から10か月後)から、原則として5年間のみ行うことができます。
更生の請求をする場合には、更正の請求書、更正の請求を根拠づける証拠書類、修正申告書等を税務署に提出することで行います。
更生の請求がなされると、税務署がその請求が妥当か否かを判断し、妥当であると認められれば、更正通知書、国税還付振込み通知書が届き、指定した口座に払い過ぎた税金が戻ってきます。
3 適切な相続税の申告・納付のために、税理士に相談を
このように、相続税を払い過ぎたとしても、更正の請求をすることで返還を求めることは可能です。
しかし、更正の請求は、一度払い込んだ税金を返還する手続きであるため、税務署の判断は申告の時よりも厳しくなりやすい傾向にあります。
したがって、最初の申告の時から相続税の払い過ぎがないように、適切な申告をすることが重要です。
相続税の申告が必要な方、相続税の払い過ぎに気付き更正の請求をお考えの方は、税理士へご相談いただくのがよいかと思います。